2008年03月16日 職人冥利?
月イチ更新がすっかり定着してしまってますが、自然消滅だけは避けますのでご勘弁を...
さて、前回は簡単なパターンを紹介しましたが、今回は、その逆の事例を紹介します。
お客様より頂いた見積り依頼メールの添付画像はこんな感じでした。
「うわっ、こりゃキビシー」と思いました。しかし、メールの後半を読んでみると、既に他店で見積り済みとあり、その金額も思い切って安くしてるなあという額でした。正直、完全修復は難しいように見えるのに、その額で直してくれるのなら、そのお店をお勧めしますと返答しました。
後日、再びそのお客様よりメールがあり、実はそのお店へ修理に行ったところ、塗装が割れる可能性があるので板金塗装を薦められたとのことでした。
「やっぱりなあ。」と思うのと、「そんなことしてたらデントリペアの悪評につながるよなあ。」と、ちょっとガッカリでした。
塗装が割れる可能性があるということは、写真よりも実際はヒドいへこみかもしれないので、完全修復は無理であることと、過度の期待をしないで欲しいことを条件に修理を引き受けさせていただくことにしました。
実際にへこみを拝見すると塗装が割れるほどではないなあと思いましたが、鉄板の折り返し部分がくっきりと浮き出てしまっていて、やはりほどほどにしか直らない感じでした。板金塗装を薦めたデントリペアラーの気持ちは痛いほどわかります。
こういう100点満点が望めない修理というのは、腰が引けるんですよねえ。修理時間は倍以上かかるし、修理費用は請求しづらいし、お客様の満足度も低くなるし...
でも、傷もないへこみを再塗装してしまうのは、もったいないし、目立たなくなればと割り切ってくださったお客様のお気持ちに応えるためにも、がんばらねばと思いました。
ヘタするとへこみの芯が残ってしまいそうな予感もしましたが、ツールアクセスは悪くなく焦らずじっくりとへこみの芯を外さないように押し上げることで予想よりは綺麗に仕上がり、お客様にも満足していただけました。
しかし、鉄板の折り返し部分のスジだけはどうにもなりませんでした。
やはり100点満点は出せませんでしたが、芯を残さず、ほとんど気が付かないレベルまで修復できたことは、また自分のレベルアップを実感できる瞬間でもあり、職人冥利に尽きると思います。
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